研究課題/領域番号 |
08680933
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
黒柳 能光 北里大学, 医学部, 助教授 (80170140)
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研究分担者 |
内沼 栄樹 北里大学, 医学部, 助教授 (90146465)
塩谷 信幸 北里大学, 医学部, 教授 (80050376)
中村 元信 北里大学, 医学部, 講師 (40198239)
山田 直人 北里大学, 医学部, 講師 (90220392)
山下 理絵 北里大学, 医学部, 助手 (10230434)
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キーワード | コラーゲン / 線維芽細胞 / 培養皮膚 / 熱傷 / 褥瘡 / 皮膚潰瘍 / 人口皮膚 |
研究概要 |
アテロコラーゲンのスポンジ状シートにヒト線維芽細胞を組み込んだ同種培養真皮代替物(CDS)を開発し動物実験において創傷治癒促進効果を確認した。さらに、熱傷、褥瘡、慢性皮膚潰瘍など50症例を対象にCDSを適用して臨床評価を行なった。CDSの作製に使用する線維芽細胞は、ウイルス感染陰性の患者から手術時に余情となった皮膚細片を承諾書と一緒に入手し、この皮膚細片からコラゲナーゼ処理により線維芽細胞を採取し継代培養して液体窒素中で凍結保存しておく。皮膚入手時点から4ヵ月以上経過した後、再度、皮膚提供者のウイルス感染の検査を行なう。これは、皮膚入手時点でウイルス感染潜伏期間でないことを確認するためである。2度目の検査でウイルス感染陰性であることを確認した後、冷凍保存しておいた線維芽細胞を解凍して継代培養する。このようにして得られた線維芽細胞をアテロコラーゲンより作製したスポンジ状マトリックスに1×10^5cells/cm^2の密度で播種して1〜2週間培養してCDSを作製した。CDSを臨床応用する際には、有効性と危険性を患者に十分説明して本人より承諾を得た(北里大学病院倫理委員会基準による)。基本手技として壊死組織切除後、Hanks液でリンスしたCDSを適用し、その上に被覆材や軟膏ガ-ゼを適用して圧迫包帯をした。創面の状態に応じて繰り返しCDSを適用し被覆保護した。熱傷(深達性II度熱傷、III度熱傷)は15例中9例が極めて有用、5例が有用、採皮創は8例中5例が極めて有用、3例が有用、褥瘡(II度〜III度)は5例中2例が極めて有用、3例が有用、皮膚潰瘍は11例中3例が極めて有用、6例が有用、皮膚欠損創は9例中7例が極めて有用、2例が有用であった。刺青切除創は2例とも患者が自宅療養を希望し感染を惹起したため有用ではない結果となった。有用ではない症例は全体で5例であった。
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