研究概要 |
1) 多周波インピーダンスCTの作成 周波数約50kHzでのインピーダンスCT装置が完成し、従来のファントム実験により得られた精度と同等の結果が得られた。高周波(約100kHz以上)で、浮遊容量の影響、周波数の切り替え時(マルチプレックサー部分)に相互干渉が大きく従来の精度が得られず、設計変更の余地あることがわかった。 2) 細胞内外液量分布の変化と生体組織の電気インピーダンス変化との関係 細胞内外液量分布の変化と生体組織の電気インピーダンス変化との関係を有限要素法による数値解とラプラスの方程式による解析解とによる理論的検討と流れている血液による実験的検討によりもとめた。シャドウイフェクト(絶縁物の存在により電流の流れない部分が絶縁物周囲に存在してしまう現象で、実際の絶縁物より大きな絶縁物が存在したことと等価になってしまう)の影響により、細胞外液抵抗の変化率は細胞外液量の変化率より小さいが、細胞内液抵抗の変化率は細胞内液量の変化率にほぼ等しいことが分かった。 3) 人工透析時の細胞内外液変動の検討 人工透析時に患者の足での電気インピーダンス変化の測定を行ない、2)の結果を元に、人口透析中での細胞内外液量分布の変動を検討した。従来、生理学的に考えられている人工透析による細胞内外液の変動を裏付ける結果が得られた。特にショック時にインピーダンス値に不定期な大きい急激な変動が見られ、細胞内外液量に大きな変動が見られることが示唆された。 以上の研究成果は、4月日本ME学会大会、6月日本透析学会大会、10th International Congress of Biorheology,in Hungary,July in 1999,European Medical and Biological Engineering,in Vienna(Austria),November in 1999にて発表。
|