「福祉労働市場の労働経済学的分析 わが国の福祉労働市場の実態を把握するために、名古屋、東京において社会福祉士資格取得者に対して福祉職選択の理由、福祉士取得の理由、職務内容、賃金形態、賃金水準、仕事への意識について聞き取り調査を行った。また、長野県介護福祉士会長から聞き取り調査のうえ、介護福祉士資格取得者の雇用形態・賃金実態についてアンケート調査を実施するとともに同会より資料収集を行った。アンケート調査を統計解析ソフトを使用して分析した。 さらに、英国の福祉専門職と比較するために、英国のNational Institute for Social WorkおよびCentral Council for Education and Training for Social Workから資料を入手し、英国の最近の福祉資格であるDipSWとの比較を試みた。 [一連の調査を通じて、日英の福祉資格について(1)福祉専門職が職場を変える頻度が日本が極端に少ないこと、(2)日本は公務員に準じた年功的賃金体系であるのに対し英国は賃金の幅が狭く、職務に対応した賃金であること、(3)英国では資格取得者と無資格者の間に職務の明確な分離があるが日本では曖昧であること、などが確認できた。共通点としては福祉労働の女性化・パート化が進んでいること、ケア・マネジメント職務において看護職と競合していることが確認できた。]」
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