研究概要 |
本研究では、 1.“Spectral flow"あるいは“Eta-invariant"といった解析的二次不変量を捉えるために、K-理論や巡回コホモロジー理論を表現のための主要な手段としながら,二次特性類が関与する精密化された指数定理を構築すること; 2.この精密化された指数定理をシンプレクティック幾何学の範疇で考察し、そこで二次特性類として現われてくるMaslov類との関連を明らかにすること; を主要な研究目標とした。また主要な実例がS^1の微分同相群の等質空間や無限次元グラスマン多様体などの不変微分型式と密接に関連していることに着目して、これらの空間のシンプレクティック型式や微分同相群から派生する二次特性類とMaslov類との関連性について研究をおこなった。 本年度における具体的な結果としては、Maslov類およびSpectral flowとユニタリー群の中心Z拡大との関連性を明確にしたことが挙げられる。この結果については1997年4月の日本数学会特別講演において発表予定である。またPacific Journal誌に掲載された論文:S^1の場合についての主要な二次特性類であるGodbillon-Vey類に対するAtiyah-Singerの指数定理の一般化(これは「巡回コホモロジー群による指数定理の一般化」という昨年度の奨励研究Aの課題と密接に関連する)も、二次特性類が関与する精密化された指数定理の構築に向けて得られた一つの結果である。
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