1、大山淑之氏(名工大)との共同研究において以下を示した。有限グラフを1つ固定して、その空間への埋め込みを考えたとき、その空間グラフに含まれる結び目全体の集合には制限が加えられることを、結び目のバシリエフ不変量を使って示した。一般にバシリエフ不変量の次数を固定したとき、空間グラフの部分グラフのバシリエフ不変量たちのあいだに一定の関係式が成立するかどうかが判定可能であることを示した。応用として空間グラフの中の結び目たちの制限として種々の結果を得た。 2、安原晃氏(東京学芸大)との共同研究において以下を示した。結び目の局所変形が、ブルーニアン型であるということを定義して、空間グラフの中の結び目たちの実現問題に応用した。例えば、デルタ型変形は3成分ブルーニアン変形であることと、任意の2つの結び目はデルタ型変形で互いに移りあうことより、空間グラフの中のある3辺を通る結び目について、その3辺を通らない全ての結び目の型を変えることなく、任意の結び目におきかえることが出来ることがわかる。 3、富川仁子氏(東京女子大)との共同研究において以下を示した。次数mのシーター曲線と円周の直積空間を4次元ユークリッド空間に埋め込むとm(m-1)/2個の4次元空間内のトーラスが得られる。逆にm(m-1)/2個のリボン型のトーラスを与えたときにそれらが次数mのシーター曲線と円周の直積の埋め込みの部分空間として一度に実現されることを示した。 4、塚本恵実香氏(東京女子大)との共同研究において以下を示した。有限単純3連結グラフの自己同型群の元が、グラフの3次元球面へのある埋め込みと、3次元球面上の向きを保つある自己同相写像によって実現されるための必要十分条件を完全に決定した。
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