研究概要 |
1.序 放射波の運動を記述する双曲-楕円型偏微分方程式系 (].SU.[) (u (x, t):流速,q (x, t):熱流,-∞<x<∞:空間変数,t【greater than or equal】0:時間,u_0(x):初期値)について研究を 2.結果 (1) u_0(x)が有界変動関数の場合.このとき,時間大域的弱解(u, q)(x, t)が一意的に存在すること,さらにu_0(x)がある意味で小さければ,u (x, t)がt→∞のときt^<-1/2>の速さで0に収束することを示した. (2) u_0(x)=r_0(x)+v_0(x)の場合.(ここに,r_0(x)=u_- (x<0のとき),u_+ (x>0のとき)であって,u_-,u_+は定数でu_-<u_+であり,v_0(x)は有界変動関数).このとき,時間大域的弱解(u, q)(x, t)が一意的に存在すること,さらにv_0(x)がある意味で小さければ,u (x, t)がt→∞のときt^<-1/2>の速さで希薄波r (x, t)に漸近することを示した. 以上の結果を現在投稿中(雑誌名SIAM J.Math.Anal.)である. 3.今後の展望 本研究は,物理的意義を有する広範囲の初期値に対し適用可能な数学的理論を構築した点で重要である.本研究の手法は,多次元粘性的保存則などに対しても有効と見込まれ,この方向についても研究を進める予定である.
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