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1996 年度 実績報告書

連続体力学に現れる偏微分方程式の外部問題

研究課題

研究課題/領域番号 08740112
研究機関熊本大学

研究代表者

菱田 俊明  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60257243)

キーワード連続体力学 / Navier-Stokes流 / 熱対流 / 外部問題
研究概要

連続体力学に現れる重要な偏微分方程式であるNavier-Stokes方程式,および関連した放物型方程式(系)の初期値境界値問題を3次元空間の中のcompactな障害物の外部領域において考察した.以下において研究成果のうちで主要なものを報告する.
障害物の境界で熱する熱対流の問題についてBoussinesq近似による非線型偏微分方程式系を扱い,L^p空間のnormに関して安定となる定常解のクラスをLorentz空間を用いて重力のクラスとの関連の中で決定した(投稿中).
次に,障害物が等速回転するときの外部領域をみたすNavier-Stokes流の運動を考察した.変数と未知関数の変換によって固定外部領域における偏微分方程式にかき直す事により,係数が外部領域の無限遠方で1次増大する移流項をもつ偏微分作用素が現れる.この作用素は,その係数の非有界性のため,よく知られたAgmon-Douglis-Nirenbergによる一般論を適用できない.まずはじめにモデル作用素として熱方程式の場合に現れる偏微分作用素を考えて,それをzero-Dirichlet境界条件のもとでL^2-空間で実現した作用素がもつ重要で基本的な性質,具体的には楕円形正則性を与えるa priori評価,(Co)半群の生成,およびその半群の平滑性を示すt→0での評価を導いた(投稿中).証明の基本的な考え方は,全空間上と境界近傍の有界領域上を別々に解析してそれらをcut-off関数ではりあわせるというものである.この熱方程式に対する考察と連続の方程式に対するBogovskiの補題を組み合わせることにより,Navier-Stokes流の問題に現れる線型化作用素についてもほぼ同様の(正確にいうと少し弱い)結果を求めた.Navier-Stokes方程式をこの作用素の生成する半群による積分方程式にかき直した上で半群のt→0での評価を用いることにより,この方程式の時間局所解の存在を初期値に対する適当な条件のもとで証明した(準備中).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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