本研究においては、まず、空間一次元問題について、非常に進展をみた。まず、一般の場合、問題の自由エネルギー汎関数のGlobal Minimizerは、一般的には、一意であり、かつ、その空間周期が、与えられたパラメータで具体的に表されることを厳密に証明した。これは、物性物理学者が、物理的な手段で導いた、ミクロスケールのドメイン構造の特徴付けと一致しており、その正しさをより明確にしたものである。 第2に、数値実験によるminimizersの特徴付けを行った。これによると、問題の汎関数は、Global minimizerの他に、多数のLocal minimizersを持ち、それらのエネルギーレベルと安定度の関数を具体的に調べることに成功した。 とくに、ランダムな初期値から出発した系の時間発展では、Global minimizerではない、ある特徴をもつ、Local minimizerが好んで選択されることをつきとめた。
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