近年、超対称性ゲージ理論の強結合理論の理解が、著しく進んでいますが、その発展に対して、中心的な役割を果たしている重要な槻念として、「双対性」があります。強結合理論と弱結合理論が「双対性」により、少なくとも、低エネルギー領域では、等価である、ということがわかってきています。従って、強結合理論の低エネルギー領域での有効理論が「双対性」を使うことで、理解できるわけです。これらの一連の研究は、この「双対性」を、現象論的な模型に適用しようとした初めての試みです。残念ながら、現象論的に非常に成功した模型とは、言えませんが、例えば、文献1の模型は、超対称性標準模型に対して、「双対性」を適用したものですが、次のような興味深い特徴があります。 1 9対のヒッグズ粒子が、双対コ-ク対の複合粒子として現れます。 2 それにともなって、湯川結合定数も自然に現れます。 3 カラーゲージ場は、あるゲージ場に対する双対なゲージ場として現れます。 4 それにともなって、コ-ク場はモノポールとして現れます。 現象論的には、様々な問題がありますが、特に次のような問題 1 レプトンの湯川結合が無い。 2 コ-クの質量行列を実現するようにヒッグズに真空期待値を持たせると、大局的な対称性が破れ、南部-ゴールドストーン粒子が現れる。 について、解決しようとした試みが、文献2と3です。文献2では、パチーサラムゲージ群を導入してそれらの問題を回避しましたし、文献3では、Rパリティを破ることによって解決しました。
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