本研究の目的は、半導体2次元電子を微細加工して作った“2次元配列した量子ドットアレイが、低温においてどのような集団的振る舞いを示すのか"を電気伝導の点から研究することである。 本年度、電子線描画を用いた化学エッチングと蒸着ショットキー電極(ゲート電極)の付加による、量子ドットアレイの作成法を確立した。現在のところ、量子ドットの直径250nm、格子間隔700nmの5行5列の量子ドットアレイが安定して作成できるようになっている。 この試料の低温(0.45K)での電気伝導度の測定から、量子ドットの形成が確認された。また形成された量子ドットの電気容量が小さいことからくる、一電子帯電効果から生じると考えられる、特徴ある電流-電圧特性が観測された。 現在、ゲート電極への印可電圧を変化させ、ドット間の相互作用の大きさを変えながら、電気伝導にどの程度集団的な振る舞いが反映されているのかの研究を行っている。
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