・鉛直加振による水面波の共鳴現象であるファラデー水面波において、種々の条件で、直線、正方形、六角形、三角形、準周期構造など、異なるパターンを持つ波動が励起されることが、最近の実験により明らかにされつつある。この現象を、平均ラグランジュ法と弱非線形理論により解析し、表面張力と重力を考慮したモード間の非線形相互作用を与える係数を計算した。さらに減衰をうけるハミルトン系から勾配系に逓減することで、非線形係数のモード間の角度依存性のみで、選択されるパターンを理論的に予言する事に成功した。この結果、重力波では直線、表面張力波では正方形、表面張力重力波では準周期のパターンが選択される事がわかり、このことは実験結果とよく一致する。 ・ファラデー水面波の2次元時空変調を記述する方程式として、2次元パラメトリック散逸非線形シュレディンガー方程式を導き、この系を拡張したアブロビッツ-ラディックの離散スキームで数値計算した。その結果、種々のパラメータに対し、フラット、キンク、正方形、スパイクなどの構造が存在することが明らかになった。この現象は、近年粉体のファラデー表面波で見つかった「オスシロン」と類似している。
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