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1996 年度 実績報告書

航空機搭載型の高時間分解能硝酸測定器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08740384
研究機関名古屋大学

研究代表者

小池 真  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (00225343)

キーワード対流圏化学 / 窒素酸化物 / 硝酸 / 航空機観測 / ナイロンフィルター
研究概要

大気中の硝酸(HNO_3)は、自由対流圏中の総反応性窒素酸化物(NO_y)のうちもっとも量の多い窒素酸化物であり、NO_yおよびNO_xの収支を研究する上での鍵となる成分である。本研究ではこのNO_y測定器の信号から、ナイロンフィルターによって硝酸のみを除去したNO_yの信号を差し引くことにより硝酸を時間分解能1秒で定量するという測定法の有効性を、実験室実験をによって検証し、また様々な問題点を調べた。
第一に、硝酸をパ-ミエーション・チューブから発生させ純空気と混合することにより適当な濃度の試料気体を作り、その試料空気を2系統に分け、片方はナイロンフィルターを通してNO_y検出計に入れ、もう片方はナイロンフィルターを通さずに別のNO_y検出計に入れて、2つの信号を比べた。この結果、ナイロンフィルターにより有効に硝酸を試料気体中から取り除くことが可能であることが分かった。また同様に、NOやNO_2はフィルターによって吸収されないことを確認した。第二に、ナイロンフィルターを保持するために、テフロン製のフィルターホルダーを作成したが、このホルダー自身がある程度硝酸を吸着・再放出し、履歴効果を作ってしまうことが分かった。第三に、試料空気中の水蒸気濃度を高くすると、一般にテフロンで吸着される硝酸の量が増加する傾向が見られた。第四に、実際の大気を観測した結果、硝酸に相当すると考えられる信号が得られたが、従来のフィルター法との同時測定ができなかったため、定量的な検証はできなかった。
以上のように、ナイロンフィルターとNO_y測定器を組み合わせた方法は、少なくとも硝酸を選択的に除去できることが本研究により確認され、航空機に搭載することによって高時間分解能での測定が可能であることが示唆された。しかし一方において、フィルターホルダーの影響や履歴効果など、測定上の問題点も確認された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Koike: "Aircraft measurements of total reactivenitrogen and ozone over the western Pacific in winter" Atmos.Environ.30. 1631-1640 (1996)

  • [文献書誌] M.Koike: "Ratios of reactive nitrogen over the Pacific during PEM-West A." J.Geophys.Res.101. 1829-1851 (1996)

  • [文献書誌] M.Koike: "Correlations of NO_y with O_3 and CO over the Western Pacific during PEM-West B" Proceedings for Quadrennial Ozone Symposium. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Y.Kondo: "Reactive nitrogen over the Pacific ocean during PEM-West A" J.Geophys.Res.101. 1809-1828 (1996)

  • [文献書誌] M.Koike: "Reactive nitrogen and its correlation with O_3 and CO over the Pacific in winter and early spring" J.Geophys.Res.(in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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