本研究において配位子としてt-ブチルニトロキシドラジカルだけでなく、ニトロニルニトロキシドラジカルを有するジフェニルジアゾメタン誘導体を合成した。これらの合成はヒドロキシルアミン部分と、ヒドラゾン部分を同時に酸化し、ニトロキシドラジカルとジアゾ基を同時に得るという手法を用いた。得られたモノラジカル-ジアゾ化合物をMTHFマトリクス中極低温下光照射し、光分解によって得られたカルベン-ニトロキシドラジカルのハイブリッド系をESRによって解析した。ESRスペクトルはt-ブチルニトロキシドラジカル、ニトロニルニトロキシドラジカルどちらの場合も4重項のシグナルを示し、D値は約0.115cm^<-1>であった。シグナル強度の温度依存性により、この4重項は基底状態であることが示唆された。これらのラジカルを(ヘキサフルオロアセチルアセトン)マンガン(II)と錯形成させ、SQUID中光分解反応を行った。その結果、光分解前後でχ_<mol>Tの値が変化し、光照射によって磁性が影響を受けていることが明らかとなった。
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