研究概要 |
Levoglucosan(1,6-anhydro-b-D-glucose)の2,3,4-位の水酸基を嵩高いbenzoyl基で保護した臭素体(6s)-6-bromo-2,3,4-O-tribenzoyllevoglucosan1に対するC6位での酸素および炭素官能基の導入について検討した。 1とアルコールおよびエーテルとの反応の結果から、アルコールおよびエーテルによりその立体選択性の変化が観測された、本基質1に対する反応はイオン反応ではなくラジカル反応で進行していることが示唆された。 また、6位への炭素官能基の導入の報告はethyl基しかないことから、まず直接的なAryl基の導入について検討した。1)100-150度の反応条件下および2)AIBN、Bu_3SnH存在下で、種々の芳香族化合物と反応を検討したところ、1)の加熱条件下でmethoxybenzene誘導体と1の間で反応が進行し6-exo-aryl体を最大収率で40%程で得ることが出来た。いずれの反応でも立体異性体のendo体の生成は見らず、exo選択性が非常に高かった。収率が若干低いものの芳香環を直接、一工程で導入できた事は極めて重要な結果である。 2)AlBN、Bu_3SnHの条件下では、芳香環との反応はほとんどど進行しなかった(数%)ものの、butyl acrylateおよびacrylonitrilとのは反応し高収率(80%以上)で1,4-付加体がexo選択的に得られた。
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