SDS-PAGE後PVDF膜にブロットして切り出した190-KDaMAPをBrCNにより部分分解し、得られたペプチド断片をSDS-PAGEで分離後、PVD膜にブロットした。幾つかのバンドを切り出し、ペプチドシークエンサーによってアミノ酸配列を調べた。これにより、それぞれ23、20、16、13残基の長さに4箇所のアミノ酸配列を解読する事ができた。検索の結果、得られた配列はいずれも、既知の配列との相同性が低かったため、190-kDaMAPが全く未知のタンパク質である可能性が考えられた。アミノ酸配列の情報を基に、対応するcDNAの配列を予想し、縮重が小さくなる部分を選んで、PCRのための縮重プライマーをセンスプライマーとアンチセンスプライマーを合わせて14通り合成した。PCRのための鋳型DNAとして、アフィディコリンを用いて細胞周期をG2期から前期に同調化したBY-2細胞よりSDS-LiCl法により単離した全RNAを、ポリTカラムで精製して得たmRNAからAMV逆転写酵素を用いて合成したものを用いた。作成したプライマーの意味のあるすべての組み合わせについて、TaKaRaLATaqを用いてPCRを行ったところ、多くの組み合わせにおいて、複数の産物の増幅が見られたが、幾つかの組み合わせにおいて特異的と思われる産物が増幅されたため、現在これらをTAクローンニングし塩基配列の解読を行っている。また、一箇所の部分アミノ酸配列から、二つ作成したプライマーを用いて、nested PCRによる増幅も試みている。
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