2個ないし3個のコイルに僅かに周波数の異なる電流を与えることにより誘導結合型プラズマリアクターを制御し、プラズマプロセスの大面積化を図る方法について、その可能性を計算機シミュレーションにより検討した。その結果、本研究で提案する制御方法は原理的に実行可能であることが示された。 本シミュレーションでは、複数の周波数の相互作用により生じるうなりモードとラスタモードの違いが認識された。うなりモードはパルス的で、2つのコイルのみを用いて異なる周波数の電流を通じた場合に生じる。一方のラスタモードは、3つ以上のコイルを用いた場合に生じ、不安定なモードが発生しうる。周波数や電流値などの変数空間から安定な運転条件を求めるためのモードダイアグラムを算定し、その成果を業績欄の論文として公表した。本論文および学会等における討論の結果、米国内のグループにより本制御法の実験的な検証を試みるにいたっている。
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