1.加工穴表面性状と層間はく離の関係 (1)表面粗さ計およびGFRPに対して光を透過させ、その陰ではく離を評価する本光透過法を用いて加工穴の壁面状態を評価した結果、平織り材の特徴として加工穴壁面の表面性状と層間はく離に異方性が存在すること示された。 (2)さらに表面粗さと層間はく離の大きさには相関関係があることも判明した。 (3)穴の小径化が進行しても、光透過法は実体顕微鏡レベルの観察で品質が評価可能であり、接触式の表面粗さ計による評価と同程度の精度で、かつ迅速に評価可能であることが示された。 2.小径穴あけ時の加工現象の解明 (1)加工時の切削抵抗を水晶圧電素子を利用した高感度の動力計で調べた結果、積層されているガラス材とエポキシ樹脂の切削特性の差により、切削抵抗に著しく変動成分を含むことが分かった。 (2)ドリル加工条件を変化させてさらに調査した結果、ドリル加工時の送り量(ドリル一回転当たりの切削厚さ)が増大すると、その変動成分は著しく増大することが分かった。 3.加工穴品質の定量化 (1)光透過法を採用することにより、短時間に多数のサンプルの評価が可能となり、ガラス布の織り位置の差異による品質(層間はく離)のばらつきも定量化可能となった。 (2)穴あけ時の切削抵抗の変動成分が穴品質に大きく影響していることが判明し、加工時の切削抵抗の中でも特にその変動成分の低減が品質向上に有効であることが分かった。
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