研究概要 |
動力循環式かさ歯車運転試験機を用いて,わずかな動力損失を精度よく測定できる油浸法により,まがりばかさ歯車の動力損失を測定した。同時に,歯当たり状態を測定するとともに,まがりばかさ歯車の歯元ひずみ波形より運転中のかみあい率を求めた。そして,前年度に開発したすくばかさ歯車の動力損失計算法をさらに発展させ,まがりばかさ歯車の動力損失計算法を開発した。その測定結果と本研究で開発したまがりばかさ歯車の動力損失計算法による計算結果を比較することにより,まがりばかさ歯車の動力損失に及ぼす負荷トルク,速度,潤滑油,歯車の諸元など影響を検討した。その結果,以下のことが得られた。 (1)本研究で開発したまがりばかさ歯車の動力損失計算法による計算結果は測定値とほぼ一致した。 (2)まがりばかさ歯車の歯当たりは楕円状となりすべり摩擦損失の大きい部分で歯面の接触が少ないので,すぐばかさ歯車よりも,すべり摩擦損失は小さくなる。 (3)歯車の回転数の増加とともにまがりばかさ歯車のかくはん損失やころがり摩擦損失は大きくなる。しかし,すべり摩擦損失は余り変化しない。 (4)歯車の負荷トルクの増加とともにまがりばかさ歯車のすべり摩擦損失は大きくなり,ころがり摩擦損失はわずかに減少する。 (5)まがりかさ歯車の歯幅や潤滑油を変えることは低トルク時には効率に影響を及ぼすが高トルク時にはほとんど影響しない。
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