研究概要 |
本研究では,半導体レーザ流速計にカラーセンサを付加し、浮遊粒子の散乱光から流速を、固体輻射エネルギから温度を検出する光学システムを構成し、速度場と温度場の同時計測可能なレーザ流速計を開発することを目的とした.しかしながら、カラーセンサは入手困難であったため、カラーセンサ内部機能と同様のセンサを自作し開発を行った.具体的には、光ファイバーケーブルと2つのフォトダイオードを用い、フォトダイオードにはそれぞれ通過波長の異なるフィルターを挿入して、固体輻射エネルギを2波長に分け、2色法により温度を求めた.自作のセンサではあるが、受光部分はカラーセンサよりも小型化できている. また、流速測定には光源として1W半導体レーザを用い、従来型のレーザ2焦点流速計と同様に2つの焦点を形成し、受光部には2焦点に対応する位置にフォトダイオードを配置して、粒子が2焦点を通過する時間により流速を求めた.温度測定用の光学系と流速測定用の光学系は、それぞれ別体として試作したが、レンズ群として同様の物を使用しており、同一パッケージに収めることは可能である. 測定対象は乱流拡散火炎バ-ナに粒子を混入したもので、速度と温度の計測を行ったところ以下の項目が明らかとなった. 1.半導体光センサと半導体レーザの組み合わせにより、コンパクトな流速温度計が実現できる. 2.燃焼場における速度変動および温度変動を把握するためには周波数スペクトル解析が必要であるが、常に焦点部分に粒子が存在する訳ではなく、得られる速度データ、温度データともに時間的に不等間隔となる.ゆえに、不等間隔のデータからスペクトルを解析できる相関スロット法の適用は必要不可欠である. 3.相関スロット法を用いる場合、大量のデータを必要とし、今回の実験では少なくとも20万点のデータが必要であった.また速度と温度の相関を得るためには、さらに多くのデータが必要となる.
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