研究概要 |
ノズル形状をスロート幅を10mm一定に保った条件で,ノズル形状を11種類に変化させ,実験室規模のアーク装置で各ノズル形状に対するアーク遮断性能を実験的に導出した。その結果,ノズル入口幅20mmのオリフィス形状のノズル(以下,C20)の場合,遮断性能がこの11種類の中では最も優れていることがわかった。次に,各ノズル形状に対するアーク装置内のガス流を,質量および運動量保存方程式を数値的にコンピュータで解くことによって解析した。ノズル形状によっては,ノズル孔内で縮流が発生すること,およびすべてのノズル形状において上流側電極付近で渦流が発生することを見いだした。次に,ノズル形状の幾何学的寸法およびガス流の速度分布を入力データに選定し,遮断成功率を出力データとして選び,ニューラルネットワークを構築した。このネットワークに,上記の実験および計算から得た多変量データを学習させ,アーク遮断現象を学習したニューラルネットワークを作り上げた。ニューラルネットワークを用いて,各ノズル形状に対する遮断成功率を予測させたところ,予測値は実験値とほぼ一致した。そして,ニューラルネットワークは,ノズルC20の場合が最も遮断性能が優れていると予測した。この予測も実験結果と一致している。 次に,各ノズル形状におけるガス流分布を注意深く検討したところ,ガス流と遮断性能との相関性を発見することができた。すなわち,電極前面の渦流およびノズル孔内の縮流を極力低減させると,遮断性能を向上させることができるを明らかにした。
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