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1996 年度 実績報告書

Bi系酸化物超伝導体高品質薄膜のキャリア密度制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08750359
研究機関名古屋大学

研究代表者

井上 真澄  名古屋大学, 工学部, 講師 (00203258)

キーワード酸化物超伝導体 / BSCCO / 薄膜 / キャリア密度 / 熱処理
研究概要

Bi系酸化物超伝導体Bi_2Sr_2Ca_<n-1>Cu_nO_x(BSCCO)はnの値により100Kを越える臨界温度を示す相も存在する。高い臨界温度を持つこの材料の可能性を追求し,応用していくためには,各相のキャリア密度の評価およびその制御による物性変化(特に臨界温度の変化)について明らかにしていく必要がある。一方,BSCCOは理論的考察可能なデータを得るような良質な膜を作製しにくい材料である。申請者らのグループではこれまでに,薄膜としては世界最高の臨界温度を有する平滑なBSCCO薄膜をas-grownで得る方法を開発した。本研究ではBi系酸化物超伝導体薄膜のキャリア密度制御について検討し,臨界温度などの物性変化との関係を明らかにすることを目的とした。本研究で得られた知見を以下に述べる。
1.組成変化によるキャリア密度制御法の検討:本研究では多元スパッタリング装置を用いるため,薄膜の組成を容易にかつ微妙に変化させられる。BSCCOではBi-O層がキャリア供給層と考えられるため,ここではBi量を変化させて実験を行った。その結果,Bi量の増加につれ,常伝導抵抗は極小値を示すことがわかった。また,臨界温度については2201相の場合は極大値を示したが,2212相の場合にはほとんど変化しなかった。この原因についてはキャリア密度のほかに結晶性,電子状態等も含めて今後検討する必要がある。
2.他の方法によるキャリア密度制御法の検討:製膜後の熱処理の効果を検討した。600℃程度で窒素中熱処理を行い,キャリア密度の低下を試みた。その結果,処理時間の増加と共に臨界温度および臨界電流密度の低下が見られ,常伝導抵抗は増加した。この処理による結晶性および表面状態の変化はなく,特性の変化がキャリア密度の変化を反映するものであることが示唆された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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