Turbo符号・turbo復号は、ヨーロッパの移動体通信方式GSM等への応用を目的として提案された、誤り訂正符号化・復号方式である。信号対雑音電力比のきわめて低い場合も有効であるという報告から近年注目され、すでにLSI化等実用面での研究は進んでいるが、符号理論の立場から研究は遅れている。そこで本研究は、トレリス符号および畳込み符号を基礎符号に用いた、いわゆるturbo符号、すなわち並列連接符号の距離構造を解析し、より優れた符号構成を得る目的で進められた。 より優れた符号構成を実現する例題として、符号化率1/3のturbo符号を構成を例題とし、(1)従来のturbo符号(同一符号化率1/2の畳込み符号2つを繰り返し利用し1ビットパンクチャにより得る方式;(2)符号化率1/3の最適畳み込み符号を用いる方式;(3)新しいturbo符号に適した符号を用いる方式を、様々なブロックサイズのインタリーブ;【2】均一インタリーブ;【2】;不均一インタリーブとの組み合わせを含めて検討した。 その結果、これまで性能が良いとされている(1)と十分適切に構成された【2】の組み合わせと同等の性能を有する方式が(2)と【1】の組み合わせで実現できることが確認された。また、(3)で検討した方式により性能の劣化無く2つめの符号状態数を削減できる方式を導いた。最適性の証明は今後の課題であるがよい符号構成を得る指針を導いている。また、この結果の拡張として符号化多値変調に適するトレリス符号化Turbo符号の構成指針を導いている。
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