本研究の目的は、研究室内程度の規模のコンピュータネットワークを構成し、それを用いて並列計算が可能なシステムを構築し、並列処理による光導波路の伝送特性の解析を行うことである。 まずはじめに、並列計算を行うことを考慮した研究室内コンピュータネットワークの構成を行った。本研究では、並列計算を行うことを目的としているため、複数台の同等の性能を持つコンピュータを導入し、ネットワークオペレーティングシステムとしてパーソナルコンピュータ用のUNIXであるLINUXを導入することにした。 研究当初には研究室内での閉じたローカルエリアネットワークの構築を規定していたが、作成したプログラムやデータをインターネットを通じて取り扱うことができるようにIPアドレスを取得し、インターネット接続した形でのネットワークを構築した。IPアドレスを取得したことにより、将来、研究が発展して大規模な並列計算を行う必要が生じた場合、例えば学校内のネットワークを使用した並列計算も理論的には可能となった。 次に、光導波路の伝送特性の解析を行うために、C言語を用いてFD-TD法による数値計算プログラムを作成し、単独のコンピュータ上で2次元光導波路内の電磁界の振る舞いを計算した。ネットワークを用いた並列計算については、PVM(Parqllel Virtual Machine)と呼ばれるツールを用いて計算を行うことになる。現在はPVMをC言語のプログラムに組み込み、並列計算を行うシステムを構築中である。 このシステムが構築されれば、単独のコンピュータで行っている計算を並列に計算することにより、より複雑な構造の光導波路を伝搬する光の電磁界の振る舞いを計算し、光導波路の設計に関する指針を得ることができる。
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