研究概要 |
自律移動車を実時間で安定に走行させるためには,環境を実時間で認識するためのセンサ情報の処理法とその情報に基づいた誘導法の開発が重要となっている. 本研究では,視覚情報より環境認識を行い,建物内において示された目的地まで壁などに衝突することなく到達することのできる自律走行車を例題にあげ,実時間・実環境にて学習し動作する知能的機械の開発を行なった. 本システムで用いられているアーキテクチャでは階層的に上層部にはマップ情報を含む状態遷移図が,下層部には視覚情報に基づき基本的タスクを実行するモジュール群が配置される.上層部では視覚情報に基づいて状態が遷移していくが,この際,目的地までの人工的なランドマークなどは一切用いずに,十字路やL字路など環境中の特徴的な場所を視覚情報より判別して目的地まで走行する. また視覚誘導の学習法としてニューラルネットワークを用いて自律走行車が自ら衝突回避するための学習を行なう手法の確立を行なった. また本研究では,カメラ・情報処理系・駆動系・電源をすべて搭載した完全自立型の走行車を製作し,実験を行い本手法の有効性を示している.
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