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1996 年度 実績報告書

中国羌族の集落と住居に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08750739
研究機関京都女子大学短期大学部

研究代表者

高岡 えり子  京都女子大学短期大学部, 講師 (70226736)

キーワード中国 / 羌族 / 集落 / 住居 / 伝統 / 石造
研究概要

本研究は、中国の少数民族の一つである羌族について、伝統的な集落および住居の空間構成や構法を明らかにすることを目的としている。分析は主に、現地調査(調査期間;1995.8.18〜8.21,1996.7.28〜8.25/調査地;四川省阿覇州文川県の4集落)で採取された図面・ヒアリングのデータによる。以下にその結果を簡単にまとめる。
調査集落は高度1270〜1980mの斜面に立地する。いずれも高密度の集村である。集落の後方(山側)に神(木や石壁)を奉っている。集落内道路は細く入り組んでいる。住居は基本的に庭を持たず道路ぎりぎりまで建てられ、また隣居とも外壁を接する。対象集落の中には石〓と呼ばれる石造あるいは土造の塔を持つものもある。石〓は元来、北方の遊牧民族との戦闘に備えて建てられた。ただし調査集落の石〓は、住居に付随するもの(有力者の権威の象徴と思われる)や集落内広場に建つもの(集落の象徴と思われる)であった。また戦闘を意識した集落構造の名残としてトンネル状の道があげられる(トンネル入口を閉鎖することで集落内外を遮断できる)。
住居は三層構造である。下層は家畜の空間、中間層は人間の空間、上層は神の空間である。神の空間には神を象徴する白石が奉られている。人間の空間は「ジコ」と呼ばれる部屋を核とした平面構成である。ジコにはイロリがあり、イロリのまわりに着座位置が決まっている。寝室は、イロリに近いほうから老夫婦、若夫婦、子供の順に配置される。
住居の構法は、外壁が石造、内部が木造である。屋根は陸屋根で、母屋・垂木をかけ渡した上に石と土をのせる。石壁の石は泥を接着剤として積まれる。羌族特有の構法として、1本の柱によって2本の梁をやじろべえのように支えることがあげられる。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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