• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

交番変形応力下でのTi_3Al単結晶の疲労挙動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08750818
研究機関大阪大学

研究代表者

中野 貴由  大阪大学, 工学部, 助手 (30243182)

キーワード疲労挙動 / Ti_3Al単結晶 / 金属間化合物 / 転位 / SBS / デブリ / 寿命 / ネットワーク
研究概要

軽量耐熱材料として、それ自体、また構成相としての役割が期待されるTi_3Al(α_2)相について、単結晶を用いてその疲労変形挙動を明らかにした。その結果、結晶方位に依存して、この結晶の主すべり系である{101^^-0}<12^^-10>柱面すべり系が広い領域にて活動するとともに、その疲労挙動は活動すべり系の数に強く依存した。とりわけ、疲労硬化は2つの柱面すべり系が同時に活動する場合に顕著であり、結晶には特徴的な内部組織が形成された。この組織は[0001]方向に高密度に集積した転位の束、ならびにその間を運動するらせん転位、さらには短い刃状双極子から成り、我々はこの組織のことをSaturated Bundle Structure(SBS)と名付けた。このSBSの束部分の太さ、束間隔は飽和時の塑性歪み振幅で整理され、一定の定量関係が見出された。さらに、焼鈍実験により、束の形成はらせん転位同士の切り合いによるスーパージョグに起因するものであることを明らかにした。ただし、SBSの形成、発達は室温から500℃までの疲労挙動を支配するものの、600℃付近では転位双極子ならびにループの動的回復によりSBSはもはや形成されず、寿命の改善、ならびに硬化度の低下が認められた。さらに800℃付近では、この結晶は再び硬化し始めるとともに、内部には安定なノッドを含む転位のネットワークが形成され、低温側と同様、変形の不均一化を助長した。その結果、結晶表面には初期より切り欠き状のステップが形成され、疲労寿命の低下へと繋がった。以上のように、Ti_3Al単結晶の疲労挙動は、低温ではSBS、高温ではネットワークの集積といった内部微細組織の変化と強い相関関係を示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T,Umakoshi,T.Nakano,B.Ogawa and Y.Koizumi: "Cyclic deformation and fracture of Ti_3Al single crystals" Proceedings of MRS symposium. (in press). (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi