ジ工チルヘキシル燐酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩を界面活性剤に選び、動的光散乱法によって動的挙動を解明することによって、種々の塩である界面活性剤に対して分子集合体構造のメゾ構造における力学的性質が異なる特徴を有することを見出した。アルカリ土類金属の塩に対しては分子集合体はきわめて長大に伸びる傾向を示し、個々の分子集合体組織が相全体で見出されるネットワーク構造の単位となる。これに対し、アルカリ金属に対しては、形態上は同様にネットワーク構造を形成するものの、個々の単位組織は比較的破壊されやすい構造を有し、巨視的物性に寄与するのは個々のネットワークの網目ではなく、それらが階層的に形成する可視光波長程度のメゾ構造であることが示唆された。ネットワーク構造中に加水分解反応通じて微粒子を形成する化学種を導入すると、その成長速度は強くネットワーク構造に制限を受ける。この手法は微粒子のサイズを制御する科学工学的手法として極めて有効であることが示唆された。
|