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1996 年度 実績報告書

非経験的分子軌道法を用いた選択的アニオン化分離除去法の精密化手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08750869
研究機関京都大学

研究代表者

鈴木 哲夫  京都大学, 工学研究科, 助手 (50243043)

キーワード非経験的分子軌道法 / 電子付着反応 / 超高度分離 / アニオン / クラスター / ヨウ化メタン / 電子状態 / 操作論構築
研究概要

本研究では電子付着反応による選択的アニオン化分離除去法の精密化をめざした基礎研究として,非経験的分子軌道法によりヨウ化メタンなどの除去対象物質の電子付着反応について分子論的な検討を加えた.ヨウ化メタンや塩化メタンなどの電子状態と,それらのアニオンの電子状態を計算し,ポテンシャルエネルギー曲線,振動準位(状態),各状態に対する波動関数を決定した.得られた波動関数をもとに中性分子の各状態からアニオンの各状態への遷移確率の大小を検討し,遷移確率の大きい遷移過程について励起エネルギーを見積もった.得られた励起エネルギーの値は他の研究者により報告されている実験により得られた励起エネルギーと大略一致しており,非経験的分子軌道法により励起エネルギーを推算できることがわかった.
次に,共存気体分子が電子付着反応による除去におよぼす影響を調べた.その結果,水や酸素が除去対象分子と共存する場合,酸素分子や水分子より0^-やOH^-などのアニオンが生成し,そのアニオンの回りにヨウ化メタンなどの除去対象分子が配置したアニオンクラスターが生成する可能性があることがわかった.そこでコロナ放電を用いた分離除去装置により酸素や水蒸気共存下でのヨウ化メタンなどの除去実験を行ったところ,電子一個当たり数個の除去対象分子が除去されることがわかった.また,オゾンが共存する場合の除去効率は酸素や水蒸気が共存する場合に比べて低く,酸素や水蒸気共存下において除去効率が高いのはラジカル反応によるのではなく,アニオンクラスター生成によるものである可能が高いことが明らかとなった.

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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