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1996 年度 実績報告書

重縮合反応を用いたシ-ド重合法によるメルカプト基を表面に持つミクロスフェアの合成

研究課題

研究課題/領域番号 08751016
研究機関北見工業大学

研究代表者

渡邉 眞次  北見工業大学, 工学部, 助教授 (10240491)

キーワード高分子ミクロスフェア / メルカプト基 / シ-ド重合 / ポリスルフィド / ポリスチレン
研究概要

ポリスチレンラテックス存在下で、プロパンジチオールとヘキサンジブロマイドの重縮合を水酸化カリウムを加えて行い、表面にメルカプト基を持つ高分子ミクロスフェアの合成を行った。メルカプト基のついた粒子を収率よく得るためには、ミクロスフェアを安定に分散させるための界面活性剤の種類と重合温度が重要な条件であった。界面活性剤として非イオン性のトリトンX-405を用い、重合温度を60℃から100℃に徐々に上げて、100℃で20時間重合を行うと、メルカプト基のついたミクロスフェアを70%程度の収率で得ることができた。ジブロマイドに対するジチオールの量を1.0から1.5等量と増加するにつれて、粒子に固定されるメルカプト基の量は増加し、1.5等量の場合には161μmol/gのメルカプト基を持つミクロスフェアが得られた。またジチオールの量が増えるに従い、ポリスルフィドの分子量は小さくなった。電子顕微鏡観察より、重縮合した粒子は元のポリスチレン粒子より大きくなっており、ポリスチレン内部で重縮合が進行していることが分かった。しかしポリスチレンシードに比べて粒径分布がかなり広くなっており、一部の粒子は重縮合中に融合しあっていると推察される。メチレン鎖の長さが異なるジブロモプロパンやジチオグリコールをモノマーとして同様の重縮合を行っても、メルカプト基が固定されたミクロスフェアを合成することができた。ジチオールの代わりに硫化ナトリウムを用いた重縮合についても検討したが、重縮合は全く進行しなかった。これはジチオールに比べて硫化ナトリウムは親水性が高いため、重合場であるポリスチレン粒子に進入することが困難なためと思われる。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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