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1996 年度 実績報告書

新規希土類金属錯体の合成とその重合触媒への応用

研究課題

研究課題/領域番号 08751031
研究機関広島大学

研究代表者

井原 栄治  広島大学, 工学部, 助手 (90243592)

キーワード希土類金属錯体 / 重合触媒作用 / シクロペンタジエニルアニオン / アリルアニオン / ベンジルアニオン / フェニルアニオン / エチレン重合
研究概要

1.新規モノCp型希土類金属錯体の合成とその重合触媒作用
2つのCpアニオンを配位子とする希土類金属錯体は高いエチレン重合活性を有することが知られている。この2つのCp環の一つを他のモノアニオンで置き換えることを試みた。そのモノアニオンとしてアリルあるいはベンジル型のものを用いることとしたが、これらのモノアニオンはCp環に比べて立体的、電子的に中心金属の配位不飽和性を向上させると予想されるので、その結果としての高重合活性が期待できる。
しかしCp環とアリル基、ベンジル基を結合させこれをジアニオンをして錯体の形成を試みたが、安定にこれらを単離することができなかった。そこでアリルアニオンよりも中心金属への供与電子数の多いプロパルギルアオン、およびベンジル基の芳香環に窒素原子を導入したピコリルアニオンを用いて錯体の安定化を試みた。期待どうりにこれらの配位子を有する新規希土類金属錯体を単結晶として単離することに成功した。そしてこれらの錯体を反応性の高いアルキル錯体へと誘導したところ、非常に高いエチレン重合活性を有する錯体が得られた。
これらのCp-アリル、ベンジルを基本骨格とする新規希土類錯体に種々の化学的な修飾を施すことによって今後さらに高重合活性を有する錯体触媒の開発へと展開する予定である。
2.2,6-ジアルコキシフェニル基(Ph^★)を配位子とする新規希土類錯体の合成
ペンタメチルシクロペンタジエン(Cp^★)に代わる新規モノアニオン性の配位子として2,6-ジアルコキシフェニル基(Ph^★)を用いることを試みた。Ph^★はCp^★にくらべてやはり立体的、電子的に中心金属の配位不飽和性を向上させると予想される。現在Ph^★_3Sm、Ph^★_4SmLiといった錯体の合成に成功しており、今後Ph^★_2LnR型の希土類アルキル錯体の合成を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Masahiro Yamashita: "Organolanthanide-Initiated Living Polymerizations of ε-Caprolactone,δ-Valerolactone,and β-Propiolactone" Macromolecules. 29. 1798-1806 (1996)

  • [文献書誌] Eiji Ihara: "Single Site Polymerizations of Ethylene and 1-Olefins Initiated by Rare Earth Metal Complexes" Macromol.Chem.Phys.197. 1909-1917 (1996)

  • [文献書誌] 井原栄治: ""Non-Coordinating" Anions-最近の展開-" 海外高分子研究. 42. 134-135 (1996)

  • [文献書誌] Hajime Yasuda: "Rare Earth Metal Polymerization Initiators" Polymeric Materials Encyclopedia. 10. 7359-7364 (1996)

  • [文献書誌] Eiji Ihara: "Single Site Polymerizations of Ethylene and 1-Olefins Catalyzed by Rare Earth Metal Complexes" New Macromolecular Architecture and Functions. 41-50 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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