ニホンナシ‘二十世紀'果実成熟に伴って発現または消失するcDNAの単離をディファレンシャルディスプレイ法にて行った。PPDD1〜10までの計10クローン単離した。単離したクローンについて塩基配列を解読し、ジーンバンクに登録されている全塩基配列との相同性を解析ソフトBLASTNで検索したところ、PPDD1〜9については既存の遺伝子と相同性を示さず、新規の遺伝子であることが判明した。そのなかでPPDD9は、果実成熟、老化に伴い発現が大量に認められることからその機能に興味が持たれる。また、PPDD10は、タバコ葉緑体遺伝子ORF1708、ホウレンソウ葉緑体遺伝子ORF2131、ゼニゴケ葉緑体遺伝子ORF2136と相同性を示すユニークなクローンであり、その発現機構、機能について解明する必要がある。 さらに果実成熟の植物ホルモンであるエチレンの受容体遺伝子であるETR1、ERS遺伝子のcDNAのPCRクローニングに成功した。
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