研究概要 |
キュウリモザイクウイルス系統(CMV-Y)をアラビドプシスecotype C24に接種すると過敏感反応を、ecotype Col.に接種すると全身感染を示す。これまでの研究よりこの過敏感反応は、C24の有する単一優性遺伝子(RCY1)とCMV-YのRNA3に存在する非病原性遺伝子との組合せにより誘導されることが明らかになっている。本研究では、遺伝子タギング法によりRCY1を単離するために、RCY1の遺伝子マッピングとC24へのトランスポゾンの導入を行った。(1)これまでに遺伝子地図上にマップされている遺伝的マーカーとSSLPマーカーを用いてArabidopsis thaliana C24染色体上におけるRCY1遺伝子の位置を解析したところ、第5染色体のマーカーnga139とnga106の間に存在することが明らかになった。(2)C24を、トウモロコシのトランスポゾンAcを導入したアラビドプシス【.right filled triangle.】Nae IsAc(Gus)-1(Arabidopsis Biological Resource Center,Ohio,U.S.A.)と交配し、transposase遺伝子をC24に導入した。(3)C24をトウモロコシのトランスポゾンDsを導入したアラビドプシスHmR Ds-A3(Arabidopsis Biological Resource Center,Ohio,U.S.A)と交配し、DsエレメントをC24に導入した。(4)交配により得られた両植物をかけ合わせ種子を得た。この種子細胞にはAcとDsが共存するため、Dsに転移が誘導される。これからは、得られた約10,000種子について、CMV-Yに対する反応を調べ、RCY1遺伝子がDsの挿入を受けて不活性化されCMV-Yが全身感染するようになった個体(RCY1がトランスポゾンタギングされた個体)を選抜する予定である。
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