研究概要 |
1.イネNADH依存性グルタミン酸合成酵素(NADH-GOGAT)遺伝子の単離 イネNADH-GOGAT遺伝子のプロモーター領域を含む全構造遺伝子を相補し得るイネゲノムクローン群を単離し、これらの塩基配列を決定した。その結果6.5KbpのイネNADH-GOGAT遺伝子の推定翻訳領域はアルファルファNADH-GOGAT遺伝子の翻訳領域と推定アミノ酸配列レベルで高い相同性を示した。10.5Kbpの推定転写領域は、21個のイントロンで分断された22個のエキソンから構成されていた。推定プロモーター領域には,GCN4モチーフやGT3ボックスが存在した。 2.アンモニア処理したイネ幼植物根のNADH-GOGAT転写産物含量の解析 アンモニア処理したイネ幼植物根では、NADH-GOGATmRNA含量は極めて短時間で急激に増加し、処理後6時間目には最大となった。このNADH-GOGATmRNAの増加蓄積は、タンパク質合成阻害剤のシクロヘキシミドの添加処理では阻害されなかったが、グルタミン合成酵素の阻害剤であるメチオニンサルフォキシミンの添加処理により完全に阻害された。 3.アンチセンスNADH-GOGATcDNAを導入した形質転換イネの作出 現在、約0.8Kbpのイネ根NADH-GOGATcDNA断片を、35SプロモーターとNOSタ-ミネーターの間にアンチセンス方向に繋いだバイナリーベクターを構築している。 4.イネNADH-GOGAT完全鎖長cDNAクローンの単離 現在、NADH-GOGATmRNA含量の高いイネ未抽出葉身とアンモニア処理したイネ幼植物根から、調製したpoly (A)^+RNAを用いて、cDNAライブラリーを構築している。
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