1)節のデジタルデータ化 まず、スギ材を一定速度で引張りながらデジタルビデオカメラで撮影し、この画像をビデオキャプチャボードを使いコンピュータに動画ファイルとして取り込む。この画像を再生しながら一定ライン上でその濃淡を追跡することにより、節の位置を二次元平面上の座標値として取得した。この方法では、節の境界を明確にすることはできなかったが、ほぼ確実にその存在を認知し、座標値としてとりこむことができた。しかし、一方材面の汚れやあてなどによる変色も節として認識してしまう場合もあり、これを判定する精度の高いアルゴリズムを検討中である。 2)節の数値化手法の考案 コンピュータシミュレーションにより、製材の表面に現れる節のパターンからその材のフラクタル次元を求めた。まず、初期条件としてスギ樹冠のフラクタル次元を与え、枝の角度・本数・配置・間隔を決定し、仮想のスギの木をコンピュータ内で作成する。この仮想の木に対して、仮想の製材を行って材を切り出して、その木の採材部位ごとの節の配列パターンを得る。これをフラクタル次元を変えて数パターン行い、1)で実際に得られたスギ材の節の配置パターンとの比較検討を行なった。フラクタル次元の違いは長手方向の節間隔、幅方向の節間隔に現れることがわかり、採材部位と節の配置間隔を表にすることにより、実際の製材のフラクタル次元を推定できる可能性が示された。
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