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1996 年度 実績報告書

胎生期松果体上皮の再構築に伴う細胞形態の変化とそれに果す細胞外マトリックスの役割

研究課題

研究課題/領域番号 08770006
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

藤枝 弘樹  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70280972)

研究分担者 佐藤 哲二  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (10162447)
和氣 健二郎  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00046963)
キーワード松果体 / 発生 / 免疫細胞化学 / 基底膜 / 接着因子
研究概要

ラット松果体の発生過程における増殖から分化への転換機構、特にその松果体上皮再編と関連を解明するために、以下のような免疫細胞化学的検討を行い、結果を得た。
1.BrdU、シナプトフィジンをそれぞれ細胞増殖、細胞分化のマーカーとして用い、各陽性細胞の比率をステージごとに定量化した。その結果、出生を境に細胞増殖能が急激に低下し、多くの細胞が松果体細胞へと分化を開始することが分かった。また、出生時急減した増殖細胞が生後3日から5日にかけて一過性に再増加することも分かった。
2.基底膜に特異的な細胞外マトリックスIV型コラーゲンおよびラミニン、接着帯に局在する細胞接着因子カドヘリンおよびα-アクチニンの分布の経時的変化を各ステージ松果体の連続断片を用いてコンピューターに入力し、松果体上皮の極性の変化を三次元的に解析した。その結果、胎生期松果体上皮の間質側突出部に一致して、基底膜成分の局所的消失および細胞の間質側への移動が起こり、一方上皮の管腔側突出部に一致して、接着因子の消失および細胞の管腔内への移動が認められた。さらに上皮の再編と松果体細胞の分化の関連をラミニンとシナプトフィジン、またはカドヘリンとシナプトフィジンの二重染色により調べたところ、上皮の極性を失い間質内もしくは管腔内に移動した細胞群が、上皮構造を維持した細胞群よりも先に細胞分化を開始することが明らかとなった。
以上の結果により、胎生後期から出生前後の松果体に見られる増殖から分化への急激な転換が松果体上皮の再編と密接に関連することが示唆された。今後、電子顕微鏡を用いた上皮の微細構造の解析、さらにin situハイブリダイゼーション法による細胞外マトリックスの遺伝子発現の解析など、松果体上皮の再編メカニズムを細胞、分子レベルで検討していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroko Fujieda: "Remodeling of pinealepithelium in the fetal as delineated by immunohistochemistry of jaminin and cadherin." Cell and Tissue Resenrch. (in press).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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