14症例の口腔扁平上皮患者より生検した14検体に対して4%パラホルムアルデヒド固定ハラッフィン包埋標本を作製し4μmに薄切し、ERK1、2、JNK1、2mRNAの発現をin situ hybridization (ISH)により検出した。 ERK1はcDNAの155-666、ERK2はcDNAの431-920JNK1は、cDNAの774-1123、JNK2はcDNAの965-1312をPCRにより増幅しSubcloning後DigRNA labelling kit (Boeringer Manheim)によりDigoxigenin標識RNA probeを作成した。 結果 1.分化度は、高分化型7例、中分化型、4例、低分化型3例であった。 2. ISHによるmRNAの発現 (1)ERK1は14例中8例(57%)にシグナルの発現が認められそのうちわけは、高分化型3例、中分化型3例、低分化型2例であった。 (2)ERK2は14例中4例(28%)にシグナルの発現が認められそのうちわけは、高分化型1例、中分化型2例、低分化型1例であった。 (3)JNK1は14例中8例(57%)にシグナルの発現が認められそのうちわけは、高分化型5例、中分化型2例、低分化型1例であった。 (4)JNK2は14例中1例(0.7%)にシグナルの発現が認められそのうちわけは、高分化型0例、中分化型0例、低分化型1例であった。 これらの結果は、主に増殖に関係しているERKの発現は予想できたのであるが、JNKの発現時にJNK1の発現が高率に認められたのは興味深い結果であると思われる。今後学会発表予定であるが、さらに症例を増やして検討する必要があると思われた。
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