IL-12 p40 mRNA発現はCD40L-CD40を介した刺激により誘導されるが、今年度はこのp40発現誘導の分子レベルでの解析を行った。まず、細胞表面上にCD40を強く発現しているヒトのB細胞腫Daudi細胞を、Agonisticな抗CD40抗体で刺激すると、RT-PCRによりmRNAレベルでのp40発現増大と、培養上清中のELISAにより蛋白レベルでの産生が見られた。さらに、この産生はCD32(FcγRII)をトランスフェクトしたL細胞を共存させてAgonisticな抗CD40抗体で刺激すると増大され、またCD40Lの発現ベクターを一過性にトランスフェクトしてもより高いp40産生が見られた。そこでこのDaudi細胞を用い解析を行った。まず、転写開始視点から上流約120bp及び200bpに存在するNF-kB部位(各々#1と#2)を含む約30merのオリゴヌクレオチドを作製し、Agonisticな抗CD40抗体で刺激したDaudi細胞の核抽出物を用いてゲルシフトアッセイを行うと、NF-κB(#1)を含むオリゴヌクレオチドとは結合物の生成が見られたが、NF-κB(#2)とは見られなかった。さらに、このNF-κB(#1)との結合は過剰な非標識オリゴヌクレオチド及びMHC ClassIに存在するAuthenticなNF-κB部位を含むオリゴヌクレオチドにより阻害され、またこのNF-κB(#1)部位に変異を入れたオリゴヌクレオチドでは阻害されないことや、NF-κBに対する種々の抗体を用いた阻害実験によりこの結合生成が特異的であることが明らかとなった。またKinetics解析の結果、この結合は刺激後15分からでも見られた。以上の結果より、p40のプロモーター領域の転写開始点から上流約120bpに存在するNF-κB(#1)がCD40L-CD40を介した刺激によるp40発現誘導に重要であることが示唆された。現在さらに、CATアッセイを用いプロモーター活性での解析を検討中である。
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