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1996 年度 実績報告書

石綿及び人造鉱物繊維の発癌性に関するin vitroにおける評価方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08770257
研究機関産業医科大学

研究代表者

紙谷 尚子  産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (40279352)

キーワード石綿 / 人造鉱物繊維 / J774細胞 / 8-ヒドロキシグアノシン / 発癌性
研究概要

マクロファージ様の貪食能を有するマウスJ774細胞を培養し、細胞数を調整した後、種々の鉱物繊維を曝露した。天然鉱物繊維としてクロシドライト、アモサイト、クリソタイルの3種、人造鉱物繊維としてセラミックファイバー、グラスファイバー、チタン酸カリウムウィスカの3種を用いた。18時間培養した後、細胞を回収し、DNA抽出キットを用いて細胞内よりDNAを抽出した。ヌクレアーゼ処理及びホスファターゼ処理によりDNAを塩基レベルまで酵素分解した後、イオン交換樹脂および蛋白質除去フィルターによる精製を行った。続いて、電気化学検出器(ECD)を接続した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりDNA中の8-hydroxy-2′-deoxyguanosine(8-OH-dG)量を測定した。
クロシドライトおよびアモサイトにおいて、繊維を曝露していないコントロールに比べて、有意に8-OH-dGの上昇が認められた(p<0.05)。クリソタイルにおいても8-OH-dG量は上昇の傾向が見られたが、有意差は認められなかった。また、人造鉱物繊維であるセラミックファイバー、グラスファイバー、チタン酸カリウムウィスカにおいては、8-OH-dGの上昇は認められなかった。
鉱物繊維の生体影響の一つとして、発癌性があげられる。今回、8-OH-dGの上昇が確認された鉱物繊維はいずれも、その発癌性が認められているものである。8-OH-dGは、生体内の活性酸素種によって生ずるDNAの損傷であり、鉱物繊維の発癌機構においても活性酸素種の関与が大きいと考えられている。本研究において用いた手法は、鉱物繊維の発癌性を予測するスクリーニングシステムとして有用であると考えられる。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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