正常人末梢血よりFicol法にて単核球を得、L-leucine methyl ester処理の後、Eロゼット法にてB細胞を精製した。B細胞をSAの存在下にIL-2とIL-10とともに培養しIgM産生を誘導した。SA刺激B細胞へのIL-10およびIL-2の結合はフローサイトメトリーにて測定した。 抗CD25抗体添加によりIL-2のみならずIL-10により誘導されるIgM産生も著明に抑制された。フローサイトメトリーを用い検討した色素標識IL-2のSA刺激B細胞表面への結合は抗CD25抗体添加によって完全に阻害されたが、色素標識IL-10の結合は不完全にしか阻害されなかった。またSA刺激B細胞表面へのIL-2の結合はIL-10の添加では阻害されなかった。 以上よりヒトB細胞へのIL-10による刺激の伝達にはCD25分子が関与することが示された。従ってIL-2およびIL-10によるCD25分子の発現増加はそれぞれのシグナル伝達を促進させ、B細胞の分化におけるIL-2とIL-10の相乗的促進作用における重要なメカニズムであると考えられる。
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