研究概要 |
1.^<123>I-BMIPP 心筋摂取率の検討 Ishii-Maclntyre法により、^<123>I-BMIPPの心筋摂取率を算出した。^<123>I-BMIPP 心筋摂取率は、血中のコレステロール、中性脂肪、血糖、インスリンの値にかかわらず2%前後でほぼ一定であった。冠動脈疾患に合併することが多い高脂血症、糖尿病症例においても、虚血による代謝異常を検出できることを示した(Nucl Med Comm 17:675-680,1996)。 2.^<123>I-BMIPP 集積低下の臨床的意義 狭心症例において、心筋血流(^<99m>Tc-sestamibi)は正常であるが、^<123>I-BMIPPの集積低下を高頻度に認め、心筋虚血の検出率は^<123>I-BMIPPが高かった。^<123>I-BMIPPの集積低下を認める症例は、高度冠動脈狭窄、側副血行、壁運動異常を伴い、PTCAを必要とした。したがって、^<123>I-BMIPPの集積低下は重症な心筋虚血の存在を意味し、インターベンションの指標となることを示した(J Nucl Med 1997,inpress)。急性心筋梗塞症例では、心筋血流/代謝(sestamibi/BMIPP)ミスマッチから、慢性期の壁運動回復を予測できることが明らかになった。 3.グルコース負荷時の心筋代謝の検討 グルコース負荷により、^<123>I-BMIPPの心筋摂取率は低下し、心筋からのwashoutが亢進した。虚血性心疾患患者において、Washoutの亢進は、虚血領域で正常領域よりも顕著であり、グルコース負荷により、心筋の脂肪酸代謝異常が顕在化した(J Nucl Med 37:175-180,1997)。急性心筋梗塞症例において、グルコース負荷の壁運動回復に対する影響を、現在検討中である。
|