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1996 年度 実績報告書

成長期ラットの骨代謝における一酸化窒素の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08770550
研究機関福井医科大学

研究代表者

塚原 宏一  福井医科大学, 医学部, 助手 (90207340)

キーワード一酸化窒素 / ラット / 骨代謝 / 二重エネルギーX線吸収測定法 / 破骨細胞 / 誘導型一酸化窒素合成酵素
研究概要

[目的]骨代謝は,全身性に循環するホルモンによって大まかに調節されるのみならず,局所性に産生されるオ-タコイドによるfine tuningsを受けている。NOもそのオ-タコイドの1つであることが,骨由来培養細胞を用いたin vitroの実験結果から示唆されるようになった。今回は,NO阻害剤の長期投与モデル(ラット)を用いて,in vivoの骨代謝におけるNOの作用を検討した。
[方法]対象:8週齢SDラット(雄)を6群に分け,4週間,以下の薬剤を投与した。
グループ1(control,蒸留水を飲用,N=16)
グループ2(20mg/dl L-NAME[“非選択的"NO合成酵素阻害剤]飲用,N=5)
グループ3(50mg/dl L-NAME,N=6)
グループ4(80mg/dl L-NAME,N=5)
グループ5(400mg/dl L-AG[“誘導型"NO合成酵素阻害剤],N=6)
グループ6(400mg/dl L-AG+2g/dl L-arginineを飲用,N=6)
パラメーター:体重,血圧;腰椎骨塩濃度(BMD;二重エネルギーX線吸収測定装置で定量);尿中NOx,コラゲン架橋(Pyd,D-Pyd),Cr;血中オステオカルシン,Cr,アルブミン,コレステロール。結果はANOVA(Scheffejを用いて検定した。
[結果と考察]12週齢の時点で,体重はグループ4で低め,血圧は,L-NAME投与群で(グループ2〜4)用量依存的に上昇していた。グループ4,5でBMDの有意な減少,グループ2〜5で尿中NOxの有意な低下があり,グループ5に尿中Pyd,D-Pydの有意な上昇が認められた。血中パラメーターには差がなかった。
以上から,NO合成酵素(特に“誘導型"酵素)を長期に阻害すると骨量が低下することが示された。生理的骨発育において,NOが骨吸収抑制的に作用しながら,骨代謝を調節していることが,今回のin vivoモデルではじめて示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hirokazu Tsukahara et al.: "Effect of nitric oxide synthase inhibitors on bone metabolism in growing rats" Am J Physiol (Endocrinol Metab). 270. 840-845 (1996)

  • [文献書誌] Hirokazu Tsukahara et al.: "Renal functional measurements in young rats with chronic inhibition of nitric oxide synthase" Acta Paediatr Jpn. 38. 614-618 (1996)

  • [文献書誌] 塚原宏一ら: "一酸化窒素の骨代謝調節機構について" 日本小児腎臓病学会雑誌. (印刷中). (1997)

  • [文献書誌] 塚原宏一ら: "一酸化窒素の生理,病態,分析" 小児科の進歩17. (印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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