1)ゲルシフト法を用いたDNA結合蛋白質の解析 放射線照射、紫外線照射およびVP-16、メソトレキセート、サイクロフォスファミド、ビンクリスチンを添加培養を行ったNIH3T3細胞株、各種白血病細胞株、マウス肉腫細胞株より核抽出液を調製し、ERRを含むDNA断片をDNAプローブとして用いゲルシフト法にてDNA結合蛋白質の発現量を検討した。その結果、NIH3T3細胞および一部の白血病細胞株については紫外線照射によりDNA結合蛋白質の発現量が増加傾向を示していることが明らかとなった。 2)遺伝子組換えレポータープラスミッドを用いた相同組換えの検出 放射線照射、紫外線照射およびVP-16、メソトレキセート、サイクロフォスファミド、ビンクリスチンを添加培養を行ったマウス肉腫細胞株およびNIH3T3細胞株に対してERR相同組換えレポータープラスミッドをトランスフェクション法により遺伝子導入を行った。明らかな相同組換え頻度の増加は全ての実験において認められなかった。 3)Rad51蛋白質の発現パターンについて ERR結合蛋白質の一部に遺伝子組換え関連蛋白質が含まれていると考え、その代表であるRad51蛋白質についてゲルシフト法を用いてERR結合蛋白質のスーパーシフトを検討した。その結果、Rad51蛋白質がERR結合蛋白質の一部である可能性が示唆された。また、Rad51蛋白質のヒトリンパ球での発現および分布パターンについて解析した結果、Rad51蛋白質はS期に特異的に核内フォーカスを形成していることが明らかとなった。
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