研究概要 |
下垂体性小人症は、下垂体ホルモン分泌不全の様式によって成長ホルモン(GH)単独欠損、複合分泌不全、病因によって器質症、非器質症下垂体機能低下症なに分類され、更に非器質症下垂体機能低下症は散発性、遺伝性、特発性に分類されている。その中でも遺伝性の下垂体性小人症には3種類の型のGH単独欠損症(IGHDtype IA,IB,II,III)、及び2種類の型の複合分泌不全症が含まれている。我々は、先天性GH、PRL、TSH複合分泌不全症とPIT1異常との関連について検討を進めている。 今回の目的は、複合型内分泌不全下垂体小人症の原因であるPIT1遺伝子の日本人患者に於ける遺伝子変異を同定することであるが、本年はPIT1遺伝子異常の疑いの3名の日本人患者について解析を加えた。 患者は、GH、PRL欠損を認めるがTSH欠損がない3才、5才、6才の3症例である。エクソン1〜7を増幅し、Sarger法にて塩基配列を決定したが、3名何れの患者においても異常は認められなかった。PIT1cDNAをブローブとしてノーザンブロッティングを行ったところ、RNA量の減少が認められた。現在までのところ、PIT1遺伝子異常は、エクソン内に認められているが、今回の我々の検討により日本人PIT1欠損症に於いては、プロモーター領域の異常が疑われ、現在その領域の遺伝子変異を検討中である。
|