研究概要 |
Wilson病タンパクの推定上の第4-6銅結合部位に対するポリクロナール抗体を用いて、細胞内における同タンパク局在について検討した。 1)培養肝細胞を用いた検討 ヒト肝臓由来であるHepG2細胞を用いたWestern Blottingにおいて、およそ160kDaのところにバンドを認めた。このバンドはWilson病タンパクにてあらかじめpre-blockingした特異抗体を用いてBlottingを行うと認められなかった。また、HepG2細胞の融解上清を0.7-1.5モルのSucroseおよび20%のPercoll gradient液にのせ超遠心したものを12分画し各分画に対してこの特異抗体にてWestern Blottingを行った。各分画においてWilson病タンパクはほぼゴルジ体からエンドソーム領域に同様の160kDaのバンドが認められた。またこのバンドは上記pre-blokingを行った抗体によるWestern Blottingにおいても消失しその特異性が認められた。コントロールとしてRibopholin(γ-ER),Mannose-6-phosphate receptorに対する抗体を作用させたところ予想される分画に各々のバンドが認められ、このgradient gelの正確性も確認された。免疫蛍光抗体染色において、Wilson病タンパクは主にゴルジ体からエンドソームにかけて分布が認められ、Western Blottingと同様の結果を示した。 2)患者肝組織を用いた検討 現在、点突然変異の認められたWilson病患者の肝組織細胞について検討中である。
|