研究概要 |
【はじめに】定位集光照射はX線を集中照射し周囲の組織の放射線障害を減少させる。定位集光照射はパラメータが多く3次元での空間線量分布を理解する必要がある。今回、我々はニューラルネットワークシステムを用いて最適なパラメータの決定を試みた。【材料と方法】パーソナルコンピュータ(COMPAQ prolinea 5100)上で3層のバックプロパゲーションアルゴリズムを用いて過去の定位集光照射症例に基づいた2つのニューラルネットワーク(NSCI,DCC)を設計した。入力層はNCSIは病巣の面積、体積、円周長、表面積の4要素、DCCは面積、体積、円周長、表面積、円形指標1(面積/円周長)、球形指標1(体積/表面積)、円形指標2(円形指標1の平方根)、球形指標2(球形指標1の平方根)から構成されている。これらの値は最大値により標準化された。CT画像をトレースしたトレーニングデータを10例とした。5例が1門(NCSI=1)、5例が2門以上(NCSI>1)であった。3例は円柱コリメータの直径が10mm(DCC=10mm)、3例が20mm(DCC=20mm)、残りが30mm(DCC=30mm)であった。このニューラルネットワークの最適な構造を探すために、隠れ層の要素数を1から10まで変化させた。NCSIのニューラルネットワークにおいて、出力層の要素数を1とし"NCSI=1"を0.99、"NCSI>1"を0.01を表すものとした。DCCのニューラルネットワークおいては、出力層の要素数を3とした。それぞれの要素数は10mm、20mm、30mmを表している。【結果】このニューラルネットワークを用いて15症例の実験を行った。NCSIのニューラルネットワークでは12例で正確であった。DCCでは、10例で正確であった。我々の実験の結果はニューラルネットワークが良い制度で定位集光照射を支援できることを示した。
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