研究概要 |
OKP細胞には近位尿細管、ヘンレの太い上行脚管空側上皮同様のNa/H antiporter(NHE-3)が存在している。従ってヘンレの太い上行脚におけるNa、HCO3再吸収に対するglucagonの役割を検討するため、OKP細胞を用い検討したところ1時間では抑制的に、24時間では濃度依存性にNa/H antiporter活性を促進するという結果が得られた。現在このacute inhibitionとchronic activationのメカニズムやその違いについて検討を行い以下の結果が得られている。 1、Acute inhibition (1)glucagonは細胞内cAMPを増やしprotein kinase Aを仲介してNa/H antiporter活性を抑制している。 (2)この効果はtyrosin kinaseを介していない。 2、Chronic stimulation (1)glucagonの効果は、protein kinase A,tyrosin kinase両方を介している。 (2)Na/H antiporterのmRNA増加、蛋白合成、蛋白合成以外の機序の3つが関与している。 今後は蛋白合成以外の機序(例えばリン酸化・膜への輸送)の検討を行う予定である。
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