研究概要 |
1、シスプラチンアナログであるジアミノ白金とpyridoxic acidとの錯体を合成した。 2、MTTアッセイによる抗腫瘍効果の検討 ア、誘導体およびシスプラチンの抗腫瘍効果を50%増殖阻止濃度で比較すると、A172cell line、C6 cell lineでは誘導体の抗腫瘍効果はシスプラチンとほぼ同等であると考えられたが、T98G cell line、9L rat cell lineにおいてはシスプラチンの方がPyridoxic acid-白金錯体より強い感受性を持つことが示唆された。このようにcell line間で薬剤感受性が異なる感受性を示した。 イ、シスプラチンに感受性の高かったT98G、C6 cell lineを対象とし、比較的低濃度の条件下に暴露時間を短時間に設定して得られた増殖阻止率は、統計学的に有意差はなかったもののP-Pt錯体の抗腫瘍効果がシスプラチンより高い傾向が認められた。 3、in vitro BBBモデルによるBBB透過性の検討 ア、Pyridoxic acid-白金錯体の投与30分後における透過係数は3.65X10^<-5>cm/sec,cisplatineは4.99X10^<-5>cm/secと有意差を認めなかった。 イ、2-deoxyglucoseを用いたとき、共に透過係数の有為な変化は認めなかった。 ウ、TNFαを加えた時、Pyridoxic acid-白金錯体の透過係数の増大を認めた。
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