当教室でクローニングしているモルヒネの活性代謝物生成に関するモルモット肝UGT55KのcDNAにおいて基質特異性の決定に重要な領域を、二価金属に特異的に結合するpoly-Histidineとのfusion proteinとして大腸菌に発現させるため、読み枠を合わせてpTrcHis vectorにサブクローニングした。このようにして構築した組換えプラスミド(pGUGT-M6N)でE.coli Yop10を形質転換させた。これを、大量培養して可溶化し、fusion proteinをNi^<2+>を固定化させたアフィニティーカラムを用いて精製した。精製fusion proteinを、フロイト完全アジュバンドとのemulsionとしてウサギに感作し、数回の追加免疫の後、採血し抗血清を調製した。この抗体は、部分精製のHartley系雄性モルモットのUGT55Kを認識したが、その特異性は必ずしも高くはなかった。これは抗原とした組換えペプチドが変性状態のものであったためであると思われる。Immunoblottingによる解析については更なる検討を行っているところである。また、肝臓と脳のmRNAを調製し、このUGT55Kは特異的なRT-PCRを行ったところ、肝臓だけでなく脳においても特異的な産物が得られ、その塩基配列から、脳内にUGT55Kの存在が示唆された。このことは、脳におけるM6Gの生成の可能性と脳機能へのUGTの関与を考える上で非常に興味深いものである。
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