研究概要 |
今回の研究目的は,胎児疾患モデル(先天性横隔膜ヘルニア)の作成とその病態解析および胎児治療の可能性について検討することであり,以下の方法を妊娠家兎で行っている. 1.先天性横隔膜ヘルニアを作成し,その後ヘルニア部を外科的に修復する方法 2.先天性横隔膜ヘルニアを作成し,その後気管結紮を行い,肺胞液を充満することで肺低形成を防止する方法 現在,先天性横隔膜ヘルニアの作成に関しては問題ないが,上記の方法による治療に関して,両手法ともに実験処置後に胎仔が死亡する例が多いのが現状である.まだ実験回数が少ないため,操作および家兎の管理が十分でないことも考えられるが,実験回数を重ねることである程度の結果が得られるものと考えている.この手法の問題点として,手法1では外科的侵襲がかなり大きいこと(手術操作が2回にわたること),手法2では気管結紮法の手技的問題が考えられる。これらの解決法として、今後実験を重ね操作に習熟する,またさらに外科的侵襲が少なくなるような手法およびより確実な気管結紮法を考案中である. 以上,現在の時点では報告できるほどの成果ではないが,今後さらに実験の継続を考えている.もちろん,ある程度の成果がでた時点で,学会等で発表する予定である.
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