目的:健常人末梢血多核白血球のコラーゲンマトリックスの分解作用に対する、黄色ブドウ球菌由来の毒素であるstaphylococcal enterotoxin A(SEA)とToxic shock syndrome toxin(TSST)の影響を検討した. 方法:健常人末梢血より比重遠心法にて多核白血球を分離した後に、24穴プレートに作成した1型コラーゲンマトリックス上で無血清培養を行った.SEA、TSSTを最終濃度が0、0.01、0.1、1、10(ng/ml)になるように添加し、24時間後のコラーゲン分解量を低分子コラーゲン中のhydroxy proline量を測定することによって比較した. 結果:SEAの添加によりコラーゲン分解量は増加した.コラーゲン分解の最も著しかったSEA濃度は0.01(ng/ml)で、それ以上の濃度では分解量がやや減少した.TSSTの添加によるコラーゲン分解の促進はみられなかった.TSSTの濃度が高濃度になるにつれてコラーゲンの分解量は減少した.
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